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インタビュー:住宅都市整理公団 総裁 大山顕さん

injeKtor.9から始まった新連載「西千葉OB百景」では、西千葉が生んだスゴいOBを紹介していく。記念すべき第1回は、「住宅都市整理公団」総裁・大山顕さんだ。

普段目に留めないモノ達の魅力を発信している人。それが、我らが千葉大OB、大山顕さんだ。人気サイト「住宅都市整理公団」総裁として団地マニアに美しい団地を紹介し、また工場やダム等についても「デイリーポータルZ」で紹介している。今回は独占インタビューの全文を一挙掲載!

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―さっそくですが、大学時代の専攻について教えてください。

僕は工学部の工業意匠学科(現工学科意匠系)の出身です。僕が2年か3年の時に千葉大学に着任した柘植先生(現在は都市環境システム学科)の授業が大好きだったんです。それまで意匠にはインテリアの講義はあったけれど、街づくりを教える人は柘植先生が初めてでしたね。 研究室も柘植先生の所属しているところに入って、まあ、よく変なことばっかりやってました。

―変なこと、ですか?

ええ、中庭で1stガンダムの上映会をやったり、1階から4階までローラーブレードで競争したりとか、…まあ、学生としては普通だよね。

―…そうですね(笑)

それで、いざ卒業制作をやろうという時になって、何をしていいか迷ってしまって。柘植先生に相談したら、「大山君は何が好きなんだね?」と聞かれたんで、「工場が好きです」って即答したんですよ。

―即答できるほど、工場に思い入れがあったんですね。

船橋の工業地帯で育ったので、僕にとって工場は普通の風景で、普通に好きな場所だったんですよ。当時は鉄鋼産業が絶不調で工場がどんどんスクラップにされていた時期だったから、慣れ親しんだ工場が無くなるのは惜しいなって思ってて。
色々と調べていくうちに、ドイツでは廃工場を生かして公園として残した事例があることが分かったんですよ。どうして日本で同じことが出来ないんだろう?って疑問に思ったんで、蘇我の工業地帯を舞台に工場を生かした土地のリノベーションをしましょう、っていう提案をしたのが卒業制作ですね。

―大山さんの就職活動について教えてください。

僕が就活してた時は、もう就職氷河期ど真ん中ストライクだったんですよ。まあ、当時の僕は…何考えてたんでしょうかね、何にも考えてなかったんじゃないかって思うくらいまともに勤める気がなくって(笑)
大学院でも行こうかなって思って院に進んで、卒業制作について引き続き調査して論文を書いたんです。日本にも、本当に少ないながらも工場のリノベーションを行った地域があることが分かったから、そこの住民に飛び込みでアンケートをして、工場が残ったことについてどう思うか聞いたんですよ。そしたらやっっぱり皆嬉しいって言うんですよ。ほーらごらんよ、って気分でしたね!
あ、ちなみに就職は出来ましたよ(笑)
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―卒業制作では蘇我の工場地帯をテーマになさったとのことですが、稲毛海岸のロケーションはどう思われますか?

好きですね。皆ウインドサーフィンなんかやってないで工場見ればいいのに。

―(笑)

でも、普通の人だったら気づかないかもしれないな。見るべきものでないって思ったものは見ないですから、人って。

―そういえば、以前稲毛海岸で遊んでいたら眼鏡が曇ってしまったんですけど、あれは工場と何か関係あるのですか?

全然関係なくって、そもそも工場が環境に悪いっていうのはもう幻想でしかないんですよ!千葉の工場は日本有数の汚い水源である印旛沼から引いた水を浄化して工業用水に使って、それを使った後にもう一度浄化して排出してるから、工場排水は元の水よりキレイなんです。だから眼鏡が曇ったとしたら、それはアナタの脂ですよ。

―なるほど、勉強になりました。スキンケアにも気をつけます(笑)

―ところで、サークル活動は何をなさっていたんですか?

ジャズ研でピアノをやってました。そういえば、さだまさし研究会はまだある?

―さだまさし、ですか!?多分ないと思いますが…。

学内の皆が「別になくても困らないけど、無くなってほしくない」って思ってるサークルの代表的存在でしたね、僕がいた頃は。そうかー、残念だなあ。
僕がジャズ研にいた頃、3年から入ってきた子がいたんですけど、その子が実は隠れさだまさし研で(笑)バレた時すごい恥ずかしがってたからサークルの皆で慰めた覚えがありますね。大丈夫、ジャズ研はそんな差別しないぞーって。


―「住宅都市整理公団」を運営する上で何か大変だったことなどありますか?

別に大変なことはないですよ。迷惑メールとかも送られてきたことはないし、仕事じゃないんで(笑)…、あ、でもたまに僕のサイトを本物の旧公団と間違えて苦情メールを送ってくる人はいるな。特に困ったのが「団地の照明が明るすぎる。古来、日本人は陰を愛でた云々」ってメールで、…めんどくさい奴がいるなー、公団の人大変だなーって思ったりしました(笑)

―今後の予定を教えてください。

先日、勤めていた会社を退職してフリーになったので、今までは積極的に出来なかった本の執筆をどんどんやっていこうと考えてます。今現在着手しているのは団地の写真集、ペーパークラフトブック、DVD、それとまた別の写真集がひとつですね。
イベントは僕の誕生日ですね。11月6日なんで、祝ってください。


―ありがとうございました!
インタビューを終えて

今回は、大山さんの卒業設計のテーマとなった工場について、密度の濃いお話を聞くことができた。実は工場鑑賞が巷ではちょっとしたブームにもなっている。大山さんが共同出版した『工場萌え』という本が話題となり、何と2007年の流行語大賞に「工場萌え」がノミネートされたのだ!大学時代から温めてきた工場への思いがいま、社会に影響を及ぼしている。

中学より高校より長い千葉大での生活。何かひとつのことに突っ走ってみるのも、いいかもしれない。